所沢、住民投票に想う
2月15日、所沢市で「小中学校にエアコンを設置すのかどうかの是非を問う住民投票」が行われました。
結果は、賛成が5万6921票、反対3万47票で賛成票が反対票の倍近くという結果になりました。
しかし、議会で「賛否いずれの結果が有権者の3分の1以上(約9万3千名)の場合、結果を重く斟酌する」ということを決議されていましたので、今回のこの結果、賛成票が反対票を大きく上回ったからと言って、数が足りず、すぐにエアコン設置とはいかないようです。
「エアコンが必要か否か」については、それぞれ様々な意見もあると思いますし、また、所沢市の台所事情もあると思いますので、
ここで、よそ様の街の判断について、どちらが正しいとか間違っているのかを述べるつもりはありません。
私が思うのは、「住民投票」そのものについてです。
ご存知の方も多いと思いますが、私も5年前、「新市立病院の移転の是非を問う住民投票」実施に向け、請求代表者の一人となり、
署名を集めさせていただきました。
住民投票の直接請求のためには、有権者の50分の1以上の署名が必要なため、松戸の場合、8000名(有権者約40万人)以上の署名を集める必要がありました。
この場合の署名は、ただ、名前を書いてもらえばよいというもではなく、市内の20歳以上の方がtに、名前や住所はもちろんの事、生年月日、そして押印が必要で、かつ、署名を集めることが出来るのも、市(選挙管理委員会)に届け済みの受任者が集めることとなっており、一般的な(法的効力のない)署名に比べ格段のハードルの高いものでした。
しかし結果は、約3万2千名(有効署名は約3万名)もの署名が集まりました。
ですので、今回、住民投票を実施しようとして署名を集められた方々の大変さ、そして、今回の結果(低投票率)への無念さはよくわかるつもりです。
なぜ、議会で結果の尊重についての条件をつけてしまったのかとも思います。
しかし、皆様(松戸市民の皆様)に、事実として知っていただきたいのは、所沢市では条件が付けられてしまったものの結果として「住民投票が行われた」ということです。逆に我が街、松戸では、議会の反対により「住民投票が行われなかった」ということです。
この点では、私からすれば所沢がうらやましく思えます。また、所沢議会には結果尊重の条件を付けたのを除けば、敬意を表したいと思います。
住民投票は、議会制民主主義を補完するものだと思いますし、何より、住民の生の声を聴く重要なものと私は考えています。
だからこそ、直接請求のための制度がもうけられているのではとも思います。
費用がかかる(所沢では約4400万円)のは承知していますが、住民投票実施には、署名など高いハードルが課されており、そのハードルをクリアーしてまで住民投票を実施したいという住民の声には、議会として答えていくべきではと私は思います。
住民投票については、様々な考えがあることはわかっていますが、この所沢市での住民投票を契機に、ある一定の署名数(たとえば3万名以上)があれば議会の承認なしでも実施できる「住民投票条例の制定」についてもう一度、議論できるようになればと願っております。